2026.07.29

「痛みが消えた=治った」ではありません|名古屋の泌尿器科が解説する尿路結石

名古屋の泌尿器科が解説する尿路結石

「先週、背中や脇腹に強い痛みがあったけれど、いつのまにか治まった」「健康診断で『結石があります』と言われたけれど、特に困っていないのでそのままにしている」——そんな方に、まずお伝えしたいことがあります。

痛みが消えても、結石そのものが体の外に出たとは限りません。尿路結石は、症状が落ち着いている間も静かに進行することがある病気です。

この記事では、なぜ痛みが消えるのか、放置するとどうなるのか、そして検査や治療がどのように進むのかを、できるだけやさしい言葉でご説明します。読み終えるころには、「思っていたより怖くない。一度診てもらおう」と感じていただけるはずです。

 

1.尿路結石とはどんな病気でしょうか

尿路結石とは、腎臓から尿管、膀胱、尿道までの「尿の通り道」に石ができる病気です。尿に含まれるカルシウムやシュウ酸などの成分が結晶となり、少しずつ大きくなっていきます。石のできる場所によって、腎結石・尿管結石・膀胱結石と呼び分けられます。

特徴的なのは、石がどこにあるかで症状がまったく違うという点です。

  • 腎臓の中にある間……ほとんど痛みがなく、気づかないことが多い

  • 尿管に落ちて詰まったとき……突然、背中や脇腹に強い痛みが起こる

「ある日突然の激痛」という印象が強い病気ですが、実際にはその前から、静かに石が育っていることがほとんどなのです。

泌尿器科が扱うそのほかの症状については、泌尿器科の診療内容ページもあわせてご覧ください。

【夏は特に注意が必要な季節です】

汗を多くかく季節は、体から水分が失われて尿が濃くなりやすくなります。すると、尿に溶けていた成分が結晶をつくりやすい状態に。7月から9月にかけては、尿路結石の症状で受診される方が増える時期でもあります。

エアコンの効いた室内で過ごしていても、気づかないうちに水分は失われています。「今年はあまり汗をかいていないから」と油断できないところが、この季節の難しさです。

 

2.なぜ痛みは消えるのでしょうか

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

尿管結石の激しい痛みは、石が尿管に詰まり、尿の流れがせき止められることで起こります。腎臓でつくられた尿が行き場を失い、内側から圧がかかることで、あの独特の痛みが生まれます。

では、その痛みが和らぐのはどんなときでしょうか。考えられるのは、大きく3つのパターンです。

  1. ①石が尿道から体外へ出た(=本当に治った状態)
  2. ②石が膀胱の近くまで下りてきた……詰まりが緩み、痛みが軽くなることがあります。ただし石はまだ体内にあります
  3. ③石は動いていないが、痛みだけが落ち着いた……尿の流れが部分的に確保され、圧が下がった状態。石は詰まったままです

つまり、「痛みが消えた」という事実だけでは、①〜③のどれなのかを見分けることはできません。実際に石が出たかどうかは、超音波検査などで確認して初めてわかります。ここを自己判断で済ませてしまうことが、次にご説明するリスクにつながります。

 

3.放置によって心配される2つのこと

痛みがないまま石が残り続けると、次のような状態につながることがあります。

① 水腎症(すいじんしょう)— 腎臓の働きが低下することがあります

尿の流れがせき止められた状態が続くと、腎臓の内部に尿がたまり、風船のように腫れてきます。これが水腎症です。

やっかいなのは、この状態はほとんど痛みを伴わないということ。片方の腎臓だけであれば、もう片方が働いてくれるため、日常生活で異変に気づくことはまずありません。しかし、圧のかかった状態が長く続くと、腎臓の機能そのものが少しずつ損なわれていきます。早い段階で詰まりを解消できれば回復が期待できますが、時間が経つほど元に戻りにくくなると考えられています。

② 腎盂腎炎(じんうじんえん)— 高熱を伴い、緊急対応が必要になることがあります

たまった尿は、細菌にとって繁殖しやすい環境です。そこに感染が起こると、38度を超える高熱、悪寒、強いだるさといった症状が現れます。特に、結石で尿の流れが妨げられた状態で起こる腎盂腎炎は、急速に悪化することがあるため、注意が必要です。抗菌薬だけでは対応しきれず、入院して尿の通り道を確保する処置が必要になるケースもあります。

【こんなときはお早めにご相談ください】

  • 以前あった背中や脇腹の痛みが治まったが、石が出た実感がない
  • 健診で結石を指摘されたまま、確認していない
  • 発熱を伴う腰背部の痛みがある(この場合は早急な受診をおすすめします)

 

4.検査と治療の流れ|痛い検査はほとんどありません

「泌尿器科の検査は痛そう」というイメージから、受診をためらわれる方がいらっしゃいます。けれど、尿路結石の検査で器具を尿道から入れることは、通常ありません。

検査の流れ

  1. 1. 問診……痛みの部位や時期、これまでの結石の経験などを伺います
  2. 2. 尿検査……採尿していただくだけです。血尿の有無や感染の兆候を確認します
  3. 3. 超音波(エコー)検査……お腹にゼリーを塗って器具をあてるだけ。痛みはなく、水腎症の有無を確認できます
  4. 4. レントゲン・CT検査……石の位置や大きさ、数をより正確に把握します

いずれも体への負担が少なく、多くの場合その日のうちに結果をご説明できます。当院の検査設備については設備紹介ページをご覧ください。

【治療の考え方】

治療方針は、石の大きさ・位置・症状によって変わります。

比較的小さな石の場合 — 自然に出ることを目指します
痛みを抑えるお薬や、尿管を広げる作用のあるお薬を用いながら、水分をしっかりとって石の排出を待ちます。定期的に検査を行い、石が動いているかを確認しながら進めていきます。

大きな石や、自然排石が難しい場合 — 専門的な処置を検討します
体外から衝撃波をあてて石を砕くESWL(体外衝撃波結石破砕術)や、内視鏡を用いるTULといった治療が必要になることがあります。この場合は、患者さまの状態に応じて、対応可能な連携医療機関を速やかにご紹介いたします。

「まず何をすべきか」を整理するところから、ご一緒に始めていければと思います。

 

5.当院にご相談の多いケース

日々の診療の中で、特に多くお伺いするのが次のようなご相談です。ご自身に近いものがあれば、一度検査を受けておかれると安心です。

ケース1|痛みが数日で治まり、そのままにしていた

夏場に背中や脇腹の強い痛みがあり、数日で自然に軽快したため受診されなかった、というご相談です。痛みが治まった時点では、石が出たのか、動いて詰まりが緩んだだけなのかを判断できません。超音波検査で腎臓の腫れと石の有無を確認するだけでも、状況ははっきりします。

ケース2|健診で指摘されたまま、年単位で経過している

「腎臓に石があります」と指摘されたものの、症状がないため経過を確認しないままになっているケースです。腎臓の中にとどまっている間は無症状のことが多く、その間に石が大きくなっていることもあります。大きくなるほど自然排石は難しくなるため、早い段階での確認をおすすめしています。

ケース3|過去に結石を経験し、再発が気になっている

一度結石を経験された方から、「またあの痛みが来るのではないか」というご不安をよく伺います。尿路結石は再発しやすい病気ですので、定期的な検査と、水分摂取や食生活の見直しを組み合わせて対策していきましょう。

※上記は当院に多くお寄せいただくご相談の傾向をまとめたものです。症状の現れ方や経過には個人差があります。

 

6.今日からできる再発予防

尿路結石は、一度経験された方ほど再発しやすいことが知られています。だからこそ、日々の習慣が大きな意味を持ちます。

【水分をこまめにとる】

目安は1日2リットル程度。一度にたくさん飲むより、こまめに分けてとるほうが効果的です。

※心臓や腎臓の疾患などで水分制限を受けている方は、この目安は当てはまりません。必ず主治医の指示に従ってください。

何を飲むかも大切です
緑茶・紅茶・コーヒーには、結石の材料となるシュウ酸が比較的多く含まれます。水分補給の中心は、水や麦茶にされるのがおすすめです。お茶をやめる必要はありませんが、「水分=お茶」になっていないかを見直してみてください。

【食事のちょっとした工夫】

  • カルシウムは適量をしっかりと……意外に思われるかもしれませんが、カルシウムを控えすぎるとかえって結石ができやすくなることがあります。シュウ酸を多く含む食品と一緒にとると、腸の中で結びついて吸収を抑えてくれます
  • 塩分・動物性たんぱく質のとりすぎに注意
  • 夕食後すぐに就寝しない……食後2〜3時間は空けられると安心です

「隠れ脱水」にご注意ください

汗をかいた自覚がなくても、体からは水分が失われています。特に、入浴後・就寝前・起床時は水分が不足しやすいタイミングです。コップ一杯の水を習慣にしてみてください。

 

7.よくあるご質問

Q. 結石は自然に出ることがありますか?

比較的小さな石であれば、水分摂取とお薬で自然に排出されることが期待できます。ただし大きさや位置によって見通しは変わりますので、まずは検査で状態を確認することをおすすめします。

Q. 検査は痛くありませんか?

尿検査・超音波検査・レントゲン検査が中心で、痛みを伴うものではありません。尿道から器具を入れる検査は、尿路結石の診断では通常行いません。

Q. 痛みが治まっていても受診したほうがよいですか?

はい。痛みの消失は、石が排出されたことを意味するとは限りません。石が残ったまま気づかずに経過すると、腎臓に負担がかかることがあります。

Q. 健診で結石を指摘されましたが、症状がありません。

症状がなくても、大きさや位置によっては経過観察や治療が望ましい場合があります。一度ご相談いただければ、必要な対応をご説明いたします。

Q. 一度治っても、また再発しますか?

尿路結石は再発しやすい病気です。だからこそ、治療後の水分摂取や食生活の工夫が大切になります。

 

8.名古屋駅周辺で背中の痛み・血尿が気になる方へ

痛みが治まると、どうしても「もう大丈夫」と思いたくなるものです。けれど尿路結石は、症状のない時間帯こそ確認しておきたい病気でもあります。

ゲートタワー黒松泌尿器科は、名古屋市中村区・JRゲートタワー26階にある泌尿器科クリニックです。

  • 日本泌尿器科学会 専門医・指導医である院長が診療を担当します
  • 名古屋駅直結。お仕事帰りやお買い物のついでにもお立ち寄りいただけます
  • 超音波・CTなどの医療機器により、当日の状態把握に努めます
  • WEBから24時間ご予約いただけます

「こんなことで受診してもいいのだろうか」と迷われる必要はありません。どうぞお気軽にご相談ください。

 

監修:ゲートタワー黒松泌尿器科 院長 黒松 功(日本泌尿器科学会 専門医・指導医)
院長プロフィールはこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や治療方針は個人差がありますので、詳しくは診察時にご相談ください。

診療予約
電話
マップ
pagetop